2-1.PCR
◆PCR反応溶液◆
100 µM Primer-f [1] | 0.5 µL |
100 µM Primer-r [1] | 0.5 µL |
200 ng/µL Template DNA [2] | 0.5 µL |
2.5 mM dNTP | 6 µL |
10×reaction buffer | 5 µL |
50 mM MgSO4 [3] | 1 µL |
1.25 Unit platium pf×DNA polymerase [4] | 0.5 µL |
滅菌水 [5] | 36 µL |
ミネラルオイル [6] | 50 µL |
1) dNTP、10×reaction buffer、MgSO4 [3]を解凍し、ボルテックスできちんと振る。
2) 粉末状のPrimer-f、Primer-r [1]をTE buffer [7]に溶かし、濃度を合わせる。
3) PCR用サンプリングチューブを取り出し、それに材料を入れる(ミネラルオイル以外) [4],[8]。
4) すべて入れたら、ボルテックスで三回振とうし、遠心機でスピンバックする。
5) ミネラルオイルを40~50 µL入れる [5]。すべての材料を冷蔵庫・冷凍庫に戻す。
6) PCRにかける。反応条件は、94℃/2min→(94℃/15 sec→54℃/30 sec→68℃/1 min)x25→68℃/3 min→4℃ overとする [9]。
注釈
[1] プライマーの濃度は重要!例えば、プライマーの濃度が高すぎると、非特異的産物が増えるなどのトラブルにつながる。プライマーは100~300 nmolの粉末で届くので、TE Bufferで溶解して100 pmol/µLになるように調製する。プライマーのTm値の差は2℃以下になるようにし、いずれのプライマーのTm値も50~58℃の範囲に入るように設計する。
[2] 鋳型となるDNA (Template DNA)は反応溶液中に100 ng入るようにする。この例だと200 ng/µLから0.5 µLを入れる。
[3] MgSO4の濃度は非常に重要!濃度が高すぎると、変なミューテーションが入りやすくなる。
[4] プライマー、Template DNA、pfx酵素は氷上で解凍する。特に、サンプリングチューブの酵素が入っている場所(底)は、絶対に指で持たないこと。また、1週間以上放置した場合、溶液の一部が蒸発結露して濃度が変わっている可能性がある為、使う前にスピンバックしすべての溶液を集めてから使う。酵素は使うとき出して、必要量を取ったら、何よりも優先してしまう。
[5] 反応溶液が全量で50 µLになるように滅菌水の量を調整する。
[6] ミネラルオイルは反応溶液の蒸発を抑えるために入れる。ミネラルオイルを入れる時、ミネラルオイル試薬瓶には、コンタミネーションを防ぐためチップ領域までしか入れないこと。ミネラルオイルがコンタミすると、それを使う他の人に影響する。
[7] TE buffer (10 mM TrisHCl pH8~, 1 mM EDTA)と滅菌水は研究室の他の学生と共有せず、自分のものを作る。使用時は、月1回程度オートクレーブ滅菌する。
[8] 材料は、添加量の多いものから順に入れる。すなわち、<滅水>→<dNTP>→<10×reaction buffer>→<MgSO4>→<プライマー>→<Template DNA>→(ここまではボルテックスで処理する)→<pfx酵素>。酵素を入れた際、白いモヤモヤしたものが出るので確認する。
[9] アニーリング温度の設定は、プライマーのTm値による。基本は、2つのプライマーのうち低い方のTm値に+2℃で設定する。PCRでTemplate DNAとプライマーの非特異的結合による失敗が観察された場合、温度調整が必要である。
2022年卒 Yan Xi 記