論文が採択されました!

修士2年生の杉山礼さんが筆頭著者の論文がNeuroscience Lettersに採択されました。

 胎児期に抗てんかん薬バルプロ酸(VPA)にさらされると、脳の発達に影響が出て、自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達障害のリスクが高まることが知られています。 この研究では、複数のマウスを同時に観察できる「多動物位置測定システム(MAPS)」を使って、VPAを胎児期に投与されたマウスと、通常のマウスを同じ環境で飼育し、社会的なふるまいの違いを調べました。 その結果、VPAを投与されたマウスでは、他の個体との接触の回数・時間・頻度が減少していました。興味深いことに、他の個体に近づく時間は増えているのに、実際の交流は少ないという、ASDに見られるような特徴的な行動が確認されました。 この研究は、MAPSを使うことで、マウスの自然な集団行動を細かく分析できることを示すとともに、胎児期の環境が社会性に与える影響を明らかにする手がかりを提供しています。


「Analysis of social interaction and proximity preferences in mice exposed to valproic acid prenatally」 


Rei Sugiyama, Munekazu Komada
Neurosci Lett. 2025 Sep 24:864:138319.
doi: 10.1016/j.neulet.2025.138319. Epub 2025 Jul 18.
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2025年07月18日